X線(レントゲン)撮影では難しかった、軟骨やじん帯、骨のひび、骨内の水腫及び血腫等も検査することができます。
膝、肩、腰椎、頚椎、骨盤など全身のあらゆる部位を詳しく評価し、診断することが可能です。
MRI検査はがんの有無や脳卒中などの脳血管疾患の検査というイメージがあるかもしれませんが、整形外科疾患でMRI検査が診断に有用なケースは非常に多いです。MRI検査でわかることを詳しく解説します。
痛みやしびれの原因がわかる
痛み・痺れは診察により原因を推察しますが特定が難しいこともあります。MRI検査で神経の圧迫や軟骨の変性などを調べることにより、痛みやしびれの原因を特定することができます。
(例)下肢や腰、でん部に痛みやしびれなどの症状が現れる腰部脊柱管狭窄症や腰椎椎間板ヘルニアはMRI検査で病巣や進行の程度を確認し、治療方針を決めていきます。痛み・しびれは、視診や触診だけでは原因の特定が難しいことがあります。MRI検査は神経の圧迫や軟骨変性の発見に優れています。そのため、MRI検査の画像所見をもとに痛み・しびれを引き起こしている原因を特定します。たとえば、下肢や腰部に痛みやしびれなどの症状が現れる腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)や腰部椎間板(ようぶついかんばん)ヘルニアはMRI検査で病巣や進行程度を確認し、治療方針を決めていきます。
筋肉や腱・靭帯などの軟部組織の損傷・断裂がわかる
筋肉や腱・靭帯などの軟部組織はX線検査では評価できません。MRIはこれらの軟部組織病変の診断を得意としています。
スポーツ障害では靱帯損傷や筋断裂、膝関節の半月板損傷などの診断に適しています。また、変形性ひざ関節症では、MRI検査で軟骨のすり減り具合や関節部の炎症などを評価することができます。当院では、変形性ひざ関節症に対して再生医療を導入していますが、治療前にMRI検査で詳細な画像評価を行っているため、安心して治療を受けることができます。
脳血管疾患のリスクがわかる
頭部MRIは、脳梗塞や脳出血など脳血管疾患の病変を調べることができます。また、くも膜下出血の原因となる動脈瘤や血管狭窄の程度を検査することで、病気を早期発見し、脳血管疾患のリスクを軽減できます。
がんや骨折などの病変が早期にわかる
MRIは、体の正常な組織とがんなどの異常な組織を区別するのが得意な検査です。そのため、骨や軟部組織などCT検査では区別しにくい部位のがんの発見に有用です。MRI検査でがんを早期に発見し、適切な治療を受けることで死亡リスクを軽減できることがあります。またMRIは骨の内部の描出に非常に長けており、レントゲンやCTでは分からない骨折や骨内病変を調べることができます。スポーツ活動による疲労骨折の早期診断にも有用です。